障害給付の仕組み |
(1)年金の種類 |
障害年金とは、私たちが病気やケガをしたときに、その病気やケガの程度が法律の定める基準に該当している場合に支給される年金をいい、厚生年金保険加入者に支給される障害厚生年金と、国民年金加入者・厚生年金保険加入者共通に支給される障害基礎年金の2種類があります。 |
障害の程度 | 厚生年金加入者 | 国民年金加入者 |
重 | 障害厚生年金1級 | 障害基礎年金1級 |
↑ | 障害厚生年金2級 | 障害基礎年金2級 |
軽 | 障害厚生年金3級 | |
障害厚生年金1級及び2級はそれぞれ障害基礎年金1級・2級が併給されます。 |
(2)受給要件の原則 |
障害年金を受給するためには、原則として以下の@〜Bの要件を全て満たしていることが必要です。 |
@初診日の要件 |
年金の対象となる障害の初診日(障害の原因となる病気やけがについて、初めて医師の診断を受けた日のこと)に、国民年金または厚生年金の加入者であること。 国民年金の加入者 −−−→障害基礎年金 厚生年金の加入者 −−−→障害厚生年金+障害基礎年金(障害等級1、2級の場合) または 年金の対象となる障害の初診日に、年金加入者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満であること。 −−−→障害基礎年金 ただし、20歳前に初診日がある場合には、20歳に達したとき(障害認定日が20歳以降のときは障害認定日)に1級または2級の障害の状態に該当すれば、障害基礎年金が支給されます。 |
A保険料納付要件 |
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに |
ただし、20歳前に初診日がある場合には、保険料納付要件は不要です。 また、初診日が平成3年4月30日までにある傷病については、初診日の属する月における直近の基準月(1月・4月・7月・10月)の前月までに上記1または2の要件を満たしていることが必要です。 |
B障害認定日の要件 |
障害認定日とは、初診日から起算して1年6ヵ月経過した日、またはその間にその傷病が治った日(症状が固定した日、あるいはこれ以上治療の効果が期待できない日を「治った日」と言います)のことです。その障害認定日に、障害等級に該当する程度の障害にあること。 |
<障害の程度> |
障害の程度は、法律で細かく障害等級が定められています(障害等級表)。おおよその目安は次のとおりです。 |
1級 | 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不可能ならしめる程度 |
2級 | 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度 |
3級 | 傷病の治癒したものにあっては、労働に著しい制限を受けるかまたは労働に著しい制限を加えることを必要とする程度。傷病が治癒しないものにあっては、労働が制限を受けるかまたは労働に制限を加えることを必要とする程度 |
(3)年金額 |
@障害基礎年金 |
1級 | 2級の障害基礎年金×1.25=795,000(昭和31年4月1日以前生まれの方は792,600)円×1.25 =993,750(990,750)円(+加給年金) |
2級 | 795,000(792,600)円(+加給年金) |
<加給年金> |
障害基礎年金の受給権者が、受給権を取得した当時その者によって生計を維持していた、または、受給権発生後に生計を維持することになった18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子または20歳未満であって障害等級1級または2級に該当する状態にある子があるときは、年金額に子の加算が行われます。子供2人目まで 一人につき(年額)228,700円 |
A障害厚生年金 |
1級 | 2級の障害厚生年金の額×1.25 | 加給年金あり、1級の障害基礎年金併給 |
2級 | 報酬比例部分の年金額 | 加給年金あり、2級の障害基礎年金併給 |
3級 | 報酬比例部分の年金額 *最低保障額 596,300(594,500)円 |
加給年金なし、障害基礎年金なし⇒年金額が低くなる そのため、最低保障額が決められている |
<2級の障害厚生年金の計算式> |
原則 下記の(a)と(b)の合計額 |
(a) 平成15年3月までの平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数 (b) 平成15年4月からの平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月から障害認定日が属する月までの加入月数 |
例外 加入月数が300月未満のとき |
{(a)+(b)の額}×{300/((a)の加入月数+(b)の加入月数)} |
*老齢厚生年金の報酬比例部分の算出式と異なる点 ⇒ 参照・老齢厚生年金 ・乗率(7.125/1000、5.481/1000)は、生年月日の別なく一律です。 ・加入月数が300月未満のときは、300月として計算します。(⇒上記、例外の計算式) |
<加給年金> |
1級・2級の障害厚生年金の受給権者が、受給権を取得した当時その者によって生計を維持していた、または受給権発生後に生計を維持することとなった65歳未満の配偶者があるときは、年金額に配偶者加算が行われます。配偶者加算 (年額)228,700円 |
※配偶者加算の留意点 改正により、令和4年4月以降、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年から19年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)の受給権がある場合(在職により支給停止となっている場合も含む)は、配偶者加給年金は支給停止されます。ただし、以下の@Aの要件を満たす場合については、令和4年4月以降も引き続き加給年金が支給される経過措置が設けられています。 @令和4年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている A令和4年3月時点で、加給年金の対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権を有しており、全額が支給停止されている この経過措置による加給年金は、配偶者が65歳に到達したり、離婚、死亡など不該当となった時のほか、以下の@からBの場合に終了します。 @本人の老齢厚生年金または障害厚生年金の全額が支給停止されることとなったとき A配偶者が失業給付の受給終了により在職老齢厚生年金の全額支給停止が解除されたとき(失業給付の受給により、配偶者の令和4年3月分の老齢厚生年金が全額支給停止されていた場合に限る) B配偶者が、年金選択により他の年金の受給を受けることとなったとき |
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