(7)65歳以降に受け取る遺族厚生年金
公的年金では1人1年金が原則ですが、65歳以上は、遺族厚生年金と自身の老齢基礎年金、老齢厚生年金、障害基礎年金、または旧厚生年金保険・旧国民年金の老齢年期の一部または全部を合わせて受け取ることができます。(65歳までは、原則通り1人1年金です)
●老齢基礎年金と遺族厚生年金の受給権がある場合

遺族厚生年金と老齢基礎年金を合わせて受けることができます。
●老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権がある場合

夫婦のどちらもが老齢厚生年金を受け取ることができる場合で夫婦の一方が亡くなったとき、65歳以降に受け取る厚生年金については、平成19年4月以降、自分の老齢厚生年金を優先して受給します。
平成19年3月までは、遺族厚生年金、または遺族厚生年金の2/3+自分の老齢厚生年金の1/2、または自分の老齢厚生年金の中から有利なものを選択して受給していました。例えば夫が死亡した場合、一般的には夫のほうが標準報酬額が高く長期勤務であるため年金額が多くなり、妻は夫の遺族厚生年金を選択し、自分の老齢厚生年金は受け取りませんでした。そこで、平成19年4月からは自分の老齢厚生年金を全額受給し、遺族厚生年金と老齢厚生年金に差があれば、その差額を遺族厚生年金として支給することとなりました。変更前後で年金額が変わることはありません。
この仕組みは、平成19年4月時点で65歳以上(昭和17年4月1日以前生まれ)の人は対象となりません。
●障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権がある場合

1.障害基礎年金+障害厚生年金
2.障害基礎年金+老齢厚生年金
3.障害基礎年金+遺族厚生年金(ただし、経過的寡婦加算は至急停止)

上記1.〜3.のうち、有利なものを選択します。遺族厚生年金を選択した場合に経過的寡婦加算が支給停止となるのは、障害基礎年金は2級でも老齢基礎年金の満額と同額となるので、老齢基礎年金が低額の妻の年金を引き上げることを目的とした経過的寡婦加算を支給する必要はなくなるからです。

さらに、本人に老齢厚生年金がある場合には、前記の通り、老齢厚生年金が優先され、その分の遺族厚生年金は支給停止となります。
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