国民年金の保険料免除について |
国民年金では、諸事情により保険料を納められない方のために、国民年金では保険料を免除する仕組みや、納付を猶予する仕組みを設けています。将来受け取る年金額を増やしていくためにも、積極的にこの仕組みを活用し、保険料滞納期間となってしまうのを防ぎましょう。 |
(1)保険料の免除 |
保険料の免除には、法律上当然に免除される法定免除と、一定の事由に該当する被保険者から申請があったときに免除される申請免除があります。 ・法定免除 障害基礎年金の受給権者 生活保護法による生活扶助等を受けているとき ・申請免除 経済的な理由等 生活保護法による生活扶助以外の扶助等を受けているとき など |
(2)失業等による特例免除 |
失業したことにより、国民年金保険料の支払が困難な場合は、「退職による特例免除」を受けることができる場合があります。 <対象> 申請する年度または前年度において退職(失業)した人)・事業の廃止(廃業)または休止の届出をしている人 <所得の計算> 申請者本人の所得を除外して計算 申請者に配偶者・世帯主がいる場合には、配偶者・世帯主の所得を合算し一定以下のとき <手続き> @年金手帳または基礎年金番号がわかるもの A認め印 B雇用権受給資格者証のコピー、離職票のコピー等、失業していることを確認できる公的機関の証明の写し、事業を廃止した人の場合は登記事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書等の書類 を持参して、住民票のある市区町村役場に「国民年金保険料免除申請書」を提出します。 |
(3)産前産後期間の免除 |
平成31年4月から、出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヵ月間(多胎妊娠の場合は出産予定日または出産日が属する月の3ヵ月前から6ヵ月間)の保険料が免除されます。対象は、出産日が平成31年2月1日以降の方です。ただし、国民年金の任意加入期間は対象になりません。 免除された期間については、保険料を納付したものとして老齢基礎年金の受給額に反映されます。 なお、産前産後期間の免除は、他の免除制度とは異なり、付加保険料を納付することができます。 出産予定日の6ヵ月前から届出可能です。出産後も届出できます。 |
(4)保険料納付猶予 |
50歳未満(学生除く)で、経済的な理由で保険料を納められない場合(前年度の所得が一定額以下)、申請により一定期間、保険料の支払を猶予してもらうことができます。この猶予期間は、老齢基礎年金を受け取るために必要な10年間の受給資格期間には含まれますが、追納しない限り、年金額には反映されません。追納ができるのは、10年前までの猶予期間までです。 |
(5)学生納付特例 |
特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下の学生を対象に、申請により保険料の支払いを猶予してもらうことができます。家族の方の所得の多寡は問いません。学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する方で夜間・定時制課程や通信課程の方も含まれますので、ほとんどの学生の方が対象となります。 *学生納付特例制度の対象となる学校> 学生納付特例制度により保険料支払いの猶予を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(老齢基礎年金を受け取るには、原則として10年以上の保険料納付済期間が必要)に含まれますが、年金額の計算の対象となる期間には含まれません。年金額に反映させるためには、追納することが必要です。 |
保険料納付額 | 受給資格 | 年金額 | ||
平成21年3月以前 | 平成21年4月以降 | |||
保険料納付済期間 | 16,520円 | ○ | ○ | ○ |
全額免除期間 | 0円 | ○ | 3分の1支給 | 2分の1支給 |
半額免除期間 | 8,260円 | ○ | 3分の2支給 | 4分の3支給 |
4分の1免除期間 | 12,390円 | ○ | 6分の5支給 | 8分の7支給 |
4分の3免除期間 | 4,130円 | ○ | 2分の1支給 | 8分の5支給 |
学生納付特例期間 | 0円 | ○ | × | × |
納付猶予期間 | 0円 | ○ | × | × |
合算対象期間 | 0円 | ○ | × | × |
滞納期間 | 0円 | × | × | × |
(6)保険料の追納 | ||||||
保険料の免除を受けた人はその免除された額の全部または一部を追納することができます。ただし、追納できる期間は、承認日の属する月前10年以内の期間に限ります。 老齢基礎年金は、その2分の1(平成21年3月以前は3分の1)の額を国庫が負担しています。
従って、保険料が全額免除されている場合でも、国庫負担分の額(つまり、平成21年3月以前は3分の1、平成21年4月以降は2分の1の額)は支給されます。例えば、半額免除の場合では、納付している額が通常の2分の1なので、保険料から支給される額の2分の1と国庫負担分を合わせた額(平成21年3月以前は3分の2、平成21年4月以降は4分の3の額)が支給されます。4分の1免除(納付額は4分の3)、4分の3免除(納付額は4分の1)も同様に計算されます。 一方、保険料を猶予してもらったとき(学生納付特例期間、保険料納付猶予期間)は、受給資格を要件を見る場合には、加入期間として計算されますが、年金額を計算する場合には猶予期間を含めることはできません。10年以内に追納することが必要です。 |
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保険料の免除や猶予を受けずに滞納すると、万が一、障害が発生したり死亡したりした場合に、障害年金や遺族年金が受けられない場合があります。保険料の支払が困難な時は年金事務所に相談し、免除または猶予を受けるようにしましょう。学生の場合は、学生であっても20歳になれば被保険者となります。加入手続きをせずに障害が発生した場合には、障害年金を受けることができません。20歳になったら忘れずに手続きし、その上で必要があれば学生納付特例期間の申請を行いましょう。 |
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