(6)老齢厚生年金の年金額(年額)
@60歳台前半の老齢厚生年金
  報酬比例部分+定額部分+加給年金
●報酬比例部分の計算方法
平成15年4月より「総報酬制」が導入されたため、導入以前と導入後では、計算方法が違います。それぞれの計算方法で算出した額の合計額が報酬比例部分の年金額となります。
A  平均標準報酬月額×新乗率(9.5〜7.125)/1000×平成15年月までの加入月数
  平均標準報酬額×新乗率(6.804〜5.481)/1000×平成15年4月からの加入月数
  
  *乗率は生年月日に応じる
・平均標準報酬月額
   =平成15年3月までの加入期間の標準報酬月額の総額÷平成15年3月までの加入期間の月数
・平均標準報酬額
  =平成15年4月以後の加入期間の標準報酬月額+標準賞与額の総額÷平成15年4月以後の加入期間の月数
・再評価
平均標準報酬月額を計算する際には、当時の標準報酬月額を今の賃金水準に見合うように再評価率を乗じて、現在の価値に再強化した額を用います。
●定額部分の計算方法
  1,657円(昭和31年4月1日以前生まれの方は1,652円)×1.000×加入月数
加入月数には、下表の通り生年月日による上限が定められています。また、昭和26年4月1日以前に生まれた人は、男性40歳、女性35歳以降の加入月数が180月から240月未満であっても、240月として計算します(「中高年齢者の特例)。
生年月日 上限
昭和4.4.1以前 420月(35年)
昭和4.4.2〜昭和9.4.1 432月(36年)
昭和9.4.2〜昭和19.4.1 444月(37年)
昭和19.4.2〜昭和20.4.1 456月(38年)
昭和20.4.2〜昭和21.4.1 468月(39年)
昭和21.4.2〜 480月(40年)
●加給年金
加入期間240月以上(中高年齢者の特例に該当しているときは、240月未満でも240月とみなします)の老齢厚生年金の受給権者が、受給権を取得した時に、その者によって生計を維持していた65歳未満の配偶者または子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある子および20歳未満で障害等級1級もしくは2級に該当)があるときに支給されます。
受給権を取得した当時、加入期間が240月未満であったときは加給年金は支給されませんが、その後、加入期間が240月に至ったときは、在職定時改定時(=毎年9月1日)または退職改定時(退職して1ヵ月を経過したとき)に生計を維持されている加給年金対象者がいるときに加算されます。240月に至った当時にさかのぼって加算されることはありません。加給年金を加算するためには、「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」の提出が必要です。
配偶者の年収が850万円以上あるときには、支給されません。
配偶者自身が240月以上の
老齢厚生年金(中高年齢者の特例に該当する者は、その期間以上)の支給を受けるときには、支給されません。
・加給年金額
配偶者・第一子・第二子 228,700円
第三子以下 76,200円
また、受給権者が昭和9年4月2日以後に生まれた者であるときは、配偶者の加給年金にさらに特別加算が加算されます。
受給権者の生年月日 特別加算
昭和9.4.2〜昭和15.4.1 33,800円
昭和15.4.2〜昭和16.4.1 67,500円
昭和16.4.2〜昭和17.4.1 101,300円
昭和17.4.2〜昭和18.4.1 135,000円
昭和18.4.2〜 168,800円
・加給年金の支給開始年齢
加給年金は、65歳から支給されます。65歳以前に定額部分が支給される場合は定額部分の支給開始と同時に行われますが、定額部分の繰上げ支給を行っても、本来の支給開始年齢にならなければ、加給年金は支給されません。
・振替加算

配偶者の加給年金の支給期間は配偶者が65歳になるまでで、その後は「振替加算」として配偶者の老齢基礎年金として支給されることになります。振替加算の額は、配偶者の生年月日によって年金額が変わります

A65歳からの老齢厚生年金
  報酬比例部分+経過的加算(差額加算)
●報酬比例部分の計算方法
前記@の報酬比例部分と同じ計算式で求めます。
●経過的加算(差額加算)の計算方法
前記の@の定額部分の年金は、65歳になると老齢基礎年金として支給されることになります。その際、定額部分の額のほうが老齢基礎年金の額よりも高くなることがあります。その理由としては、
・老齢基礎年金は、20歳未満60歳以上の加入期間は合算対象期間(カラ期間)となり年金額計算の対象にはならないが、定額部分は20歳未満60歳以上の期間も計算の対象となる
・中高年齢者の特例に該当すると、20年未満の加入期間であっても、定額部分は20年で計算される
などがあります。
そこで、この差額が「経過的加算(差額加算)」として、老齢厚生年金から支給されます。
定額部分の額−795,000(既裁定者は792,600)×昭和36年4月1日以後で20歳以上60歳未満の加入期間の月数/(加入可能年数×12)
次のページでは、働きながら老齢厚生年金を受給する「在職老齢厚生年金」について説明します。
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