(9)65歳前で退職し、失業した場合の老齢厚生年金 |
雇用保険から支給される「基本手当」と60歳台前半の老齢厚生年金とは、同時に受給することができません。従って、65歳前で離職し、雇用保険から「基本手当」を受給すると、その間、特別支給の老齢厚生年金の給付は受けられなくなります。 |
基本手当とは? | ||||||||||||||||||||||||||||
原則として、離職日以前1年間に被保険者期間が通算6ヵ月以上あり、労働の意思及び能力を有しているにもかかわらず、職業に就くことができない状態にある場合に支給されます。 (給付日数 60歳以上65歳未満) ・一般の受給資格者の場合(自己都合退職や定年退職)
(基本手当受給の手続き) |
基本手当との調整方法 | ||||||||||||||||||||||||||||||
@老齢厚生年金の支給停止 求職の申込みがあった月の翌月から、次のいずれかに該当する月までの各月において、老齢厚生年金の支給が停止されます。 ・基本手当を受ける期間が経過したとき ・所定給付日数の受給を終了したとき この期間であっても、基本手当を受けた日及びこれに準ずる日が1日もない月があったときは、その月については老齢厚生年金は支給されます。 待期期間、離職理由による給付制限期間は、基本手当を受けた日に準ずる日として、老齢厚生年金は支給停止となります。 A事後精算 基本手当を受ける期間が経過するか、所定給付日数の受給を終了した時点で、基本手当の支給対象となった日数を総計し、支給停止されていた老齢厚生年金の月数との調整を行います。 *(基本手当の支給対象となった日数÷30)に1未満の端数が生じた場合は、1に切り上げます。 支給停止解除月数が1以上である場合には、その数分の支給停止が解除されます。 |
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<具体例>
基本手当の支給対象となった日数 178日 支給停止月数 7ヵ月 7ヵ月-178日/30=7-5.933≒7-6=1 従って、1ヵ月分の支給停止が解除されることになります。 |
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手続き上の留意点 | ||||||||||||||||||||||||||||||
65歳以前に退職した場合には、まずハローワークで「求職の申込み」をし、「基本手当受給」の手続きを行います。「受給資格者証」の交付を受けた後に、ねんきん事務所で老齢厚生年金の受給手続きを行います。 「受給資格者証」には、「基本手当日額」が記載されていますので、その額と年金額を比較して、どちらを受給するかを決めます。もし厚生年金の受給を希望するのであれば、「失業認定」は行わないようにします。そうすれば、「基本手当」は支給されず、年金は支給停止されません。 ただし、退職後、再就職を希望している場合は注意を要します。雇用保険から支給される「再就職手当」や(8)で説明した「高年齢再就職給付金」を受けるためには、「基本手当」を受給していなければならないからです。 |
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次ページでは、老齢年金の繰下げの仕組みについて説明します。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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